ユイのこと

最近、ワタシとパートナーの声をわかっている。確実に聞き分けている。
だから、お稽古中ハハオヤに見てもらっているが、ワタシの声がしないと気に入らない。
お稽古していて物凄い剣幕で怒って泣いているのが聞こえる。
ワタシも、パートナーも聞いたことのない声。
聞いていて切なくなってしまう。
これはハハオヤも参っているだろうと、セイトサンに「少し練習してて」と伝え、部屋を出る。
ハハオヤに抱かれているが顔を真っ赤にして、声になっていない泣き声で頭の血管が切れてしまうのではないかというくらいぎゅうぎゅうに泣いているユイをワタシが抱いた瞬間。泣き止んだ。

「この子、わかってるのよ。ママの声が。」今日はいるはずなのにいない。って怒る。同じ屋根の下にはいるが、お稽古場からユイのいるところになかなか戻っては来られない。
切ないが、なんだかワタシじゃないとだめ。っていうのが嬉しい。我が子って愛おしい。
でも抱っこしているわけには行かない。
ここは心を鬼にしてユイから離れる。
ものすごい声で泣くのを目をつぶって振り切りお稽古場へ戻る。

途中パートナーが迎えに来てくれ、ワタシがお稽古を終えて帰ったときには目の周りを真っ赤にして眠っていた。
ユイにとっても、ワタシにとっても試練の時。